2014年2月19日水曜日

君が僕を ~どうして空は青いの?~: 中里 十 [★★★★/☆☆☆]

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)

中学生の順子は、自分と全く違う価値観を持つ少女と出逢い、戸惑いつつも惹かれていく。

相変わらず設定が特殊ですが、まずその前に、この小説の内容が主人公の「回想」であるという点が読む人を選ぶかもしれません。
「現在」の順子は30代後半、しかも娘が居るという事実が1ページ目で突きつけられます。
自分の娘というワードが「百合小説」としては気になるところです…。
とまあ、出鼻をくじかれた印象を持ちましたが、主人公の一人称での語り口がわかりやすく感情移入できるので読みやすいです。
主人公は一般的な感じで親しみやすいですね。

一応、同性愛がメインテーマ?なので恋愛の好き嫌いの話はありますが、かなり蛋白。
いわゆる恋愛小説っぽさはあまり感じられず、哲学的な問答を繰り返すうちに相手のことがわかってきたり、かと思えば自分との違いが浮き彫りになって突き放された気分になったり…。
この変な距離感がなかなかクセになります。

全4巻という長編ですが、どうして「現在」に至ったのかが凄く気になるので全部読みます。

百合度:★★★★
総評 :☆☆☆

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