世間とかけはなれた価値観を持つヒロインの真名と主人公の淳子。淳子は漠然とした不安を感じながらも真名と恋人として付き合っていく。
徹頭徹尾、哲学的な問いをふっかけられる不思議な話でしたが、最終巻となる4巻で、ある事が明らかになり百合度が上がりました。
前作の「どろぼうの名人」よりも立場がはっきりしているぶん、青春小説として楽しめるし読みやすいのですが、特殊な構造のストーリーなので、あまり気軽に人に勧めることは出来ないです。
最後まで読んでも、真名はずっと真名のままでした。この小説は基本的に淳子視点の語りなので、淳子が好きな真名のキャラクターが好きになれるかどうかが百合小説として読む上でのポイントかもしれません。
自分は結局あまり真名が好きになれませんでしたが、淳子のキャラクターは好きだったのでそれなりに興味深く読めました。
しかし小説のラストシーンは物語の結末というわけではないので、やはりモヤモヤが残ります。
この読後感は複雑です。
百合度:★★★★
総評 :☆☆☆
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